キビタキの会では、原発事故避難者の安定的な居住を求める政府(復興庁、内閣府、国交省)との懇談会を、2014年6月9日(月)参議院会館 B103会議室にて行ないました。
あらかじめキビタキの会では政府側に質問状を提出しておりました。その質問項目に対して、政府の担当省庁から回答を聞きました。
司会者:それではみなさま、ただいまから、原発事故避難者と担当の復興庁、内閣府、国土交通省の担当官のみなさまとの懇談会をはじめさせて頂きます。私は本日、司会進行を務めます、キビタキの会事務局の山本ひとみと申します。よろしくお願い致します。
キビタキの会はキビタキという福島県の鳥、県の鳥を名前にして2月28日に結成致しました。まず会長の寺島あきらの方からご挨拶をさせて頂きます。
「おはようございます。キビタキの会、会長の寺島あきらと申します。本日はこのように懇談会をもうけさせて頂いてありがとうございます。どうぞ、時間のゆるす限りよろしくお願い致します。」
それでは、懇談に入る前に、今日9名おいでですので、お名前と職名をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
復興庁 6名
内閣府防災担当 1名
国交省 2名
【質問への答え】
司会者:キビタキの会から事前に、こんな事を聞きたいという質問を何項目か出させていただきました。
こちらに来られているのは、キビタキの会会員という方だけではなくて、キビタキの会で呼びかけたこの集まりに賛同して私も一言言いたいという事でいらした避難者の方もこちらにおすわりになっておりますので、よろしくお願い致します。
では質問項目の1、現状というところから担当者の方お答え頂けますか?
政府側:質問事項の1、現状の所で、①と②についてまず報告させて頂きます。
今回の東日本大震災をうけまして、まだ東京電力の原子力発電者の事故があって東京都に避難してきた住人の方が何人か、また全国で何世帯何人かということですが、こちらについては現状をお伝えいたしますと、復興庁の方で正確なデータがないというような状況になっております。
東京都に避難してきた方という事も、実際にプレハブの仮設が建っている訳ではないですから、賃貸住宅に入られている方というのが多いと思うんですけれども、それも災害救助法の制度の中で入っているという方もいらっしゃれば、この制度については政府で測る事はできると思うんですけれども、あくまで色んなドタバタの中で、避難所のような扱いで東京に移ってきてそのまま住まれているかたというのが、あくまで住宅の担当している管理者が住んでもいいよと認めるという事で、その部分について政府として把握するのは難しい事がございます。
①については統一した数字が言えないという事になっております。民間の賃貸住宅に住まわれている方以外でも、それぞれの親類の方のところにすんでいる方の把握がむずかしいという事と、病院など様々な所に住んでいるとこがございますので、本当に正確な世帯数を把握できていないという事も申し添えておきます。
政府側:②ですが、これは取り組みのご紹介という事になりますが、復興庁の方で平成25年の10月、子供被災者支援法の基本方針というものができた後に、基本的にはこの指示避難の方、原発から20キロ圏内で政府から避難の指示を出されている方以外の方でも避難している福島から離れているかたはかなりいらっしゃいますので、そういった方を借りにここでは自主避難者と呼ばせれ頂く事に致しますが、そういった方への情報提供事業を実施しております。これは、国からどういった支援の施策があるのかという事をお伝えする、情報提供の面と、実際に自主避難者の方が生活されている中で、どういった事が必要だと思っているのがという相談の部分、双方向の取り組みを、特に避難者が多い地域で説明会を開催して情報提供と相談をする会を開催させて頂いております。25年度ですと、やっていなかったんですが、26年度はこういった情報提供の事業を進めて行くということが出来るようになっております。
政府側:③と④について、私のところでやっているのは避難指示が出ている方を対象に取り組んでいる事例がありますので、紹介させて頂きます。
まず③について、復興庁とましては、福島県と避難元区域と共同で24年度から継続して住民票調査というものをやらせて頂いております。この中で住宅にかかわる事項として、避難期間中の住宅の状況であるとか、避難期間中の復興住宅の入居、住居形態であるとか、どこに避難したとかについて。また、避難指示が解除された後、居住地の希望などを把握していうものです。
政府側:続きまして④
帰宅困難区域など、長期に避難をされている方々、コミュニティーを維持しながら安心して避難生活をして頂く必要があると考えています。この為、国、復興庁であるとか、福島県の受け入れ市町村や避難もとの市町村で協議会を設定しまして、更に受け入れ市町村ごとに個別議会を、具体的に復興住宅を中心とした受け入れ体制形成の為これを行いながら、その先は給付金などを活用して行っていく予定です。
また、長期避難者の方々につきましては、生活拠点において、地域の絆の維持であるとか、発展においてコミュニティー研究会という会を結成しまして、これもまた国や県、非難元市町村や受け入れ市町村を中心に住人自らの意志や協議への参加、地域住民の交流といった、具体的なコミュニティーの形成の例を作りまして、避難者と共有をはかっています。
司会者:では、
2番目の現在の制度災害救助法に基づく応急仮設住宅に関してお願いします。
政府側:①、災害救助法に基づく応急仮設住宅の期間に関しては、原則2年となっています。ただ、東日本大震災で設置したものに関しては、特定災害特別措置法、これの対象になっておりますので、期間ごとに延長を行う事が可能となっております。ですので、現在福島県等は、平成28年3月までという事でやっておりますが、その後の延長につきましては、被災地域のその後の災害住宅や賃貸住宅の整備など、大々的な住宅の整備をふまえて検討していく事とさせて頂いております。
政府側:続きまして、②の最終的な判断について。
先ほど申し上げましたように、延長という事につきましては、災害救助法の救助の期間を延長していくという考え方となっております。この救助の期間については内閣総理大臣が定める期間に従ってあらかじめ定められている事になっています。これが2年。各都道府県知事が内閣総理大臣に協議し、同意を得て救助の期間を定める事となっております。
繰り返しになりますが、東日本大震災のような特定災害措置法では1年を越えない期間ごとに延長が可能という事になりますけれども、都道府県知事が法律に基づいて内閣総理大臣に協議し同意を得て、1年を越えない期間での延長という事が可能になります。
政府側:続いて③の住民の声や被災自治体の声はどのように反映されるかという事ですが、
各都道府県知事がどのように判断を行っているかという事はこちらではなかなか承知していないのですが、各都道府県においては亜仮設住宅の提供、延長、被災市町村やその住民の意向に合わせて方針を定めていると。そして協議を行っているものと推察しています。その結果は福島県のホームページで公開されています。
政府側:続きまして④ですけども、
細かい事例を書いて頂いているのですが、申し訳ありませんが個別の事例についてコメントする立場にないので、差し控えさせて下さい。
広さという事に関しては、建設型の仮設住宅に関しては29坪、9畳。間取りは4DKが標準なのですが、一人暮らしの方なら6坪1DKだとか、数が多ければ12坪3Kというような3タイプが標準使用。狭いとの意見もあるが、これに関しては仮設住宅の建築用地に可能なかぎり戸数を置く必要がある、早期にたくさんの仮設住宅を建てる必要があるということで事前に標準仕様を定めております。また、一つの仮設住宅に入らないご家庭に関しては複数の部屋を提供している事例もあると言う事です。
また民間の借り上げ住宅や公営住宅などの公的な住宅を提供している自治体に関しては、各自治体で家族構成に応じて提供している、可能な範囲で必要に応じて提供していると認識しております。
政府側:続きまして⑤ですが、
1年の延長を繰り返すという事で、将来の見通しを建てられないという事ですが、繰り返しになって申し訳ありませんが、災害応急仮設住宅の提供という事は災害救助法に基づき提供しており、原則2年です。東日本のような災害においては特別措置法において1年を越えない期間で延長する事が法律になっております。これをふまえて更なる延長につきましては、その後の代替的な住宅確保の状況をふまえて引き続き検討を行うこととして頂いております。
司会者:次は3番目については?
政府側:3.につきまして、
今山本さんからおしゃって頂いたように、子供被災者支援法の基本方針の中で住宅の確保については民間仮設住宅に関しての応急仮設の使用期間は平成27年3月末までという事を一回書いたのですが、その4月以降については、この「代替的な住宅確保の」と基本方針に書かれているところなのですが、これは今まさに内閣府の防災担当のかたから報告がありました通り、これは27年の3月末ではなくて、更に1年延長して28年の3月末までの無償の提供が保証されたというところであります。
基本方針が出来たのが、昨年の平成25年、その後に自治体や政府の方でも話し合いをして1年の延長が決まり、1年10ヶ月間での無償の提供が可能になったというふうに認識しております。
政府側:②の強制避難、自主避難にかかわらず、避難してきた人たちが長期にわたって住み続けられる無償の住宅の確保、これを基本方針の中に書く見直しをしてほしいとの事ですが、基本方針は25年に閣議決定した上で、ずっと変わらないという事ではないと思うんですが、見直しの時期というところをいつにするとかそういった時期に関しては未定の状況ですので、今日のような避難者の方の意見を聞く場が色々とございますので、その中の意見をふまえて今後見直しをしていかなければいけないのかなと考えております。
司会者:その下のところは、同じですか?
見直しを要望しているんですが、それはお答えがなかったように、ここで要望している事は、長期に渡って無償で、原発事故にあって避難をした人に住宅は無償でやってほしいとハッキリ書いてほしいという事なのですが、それは言えないんですね。
政府側:そうですね、基本方針を変える具体的な方法は決まっていないので、先ほど言った通り今日のこのような場や避難した方のご意見も聞きながら、基本方針の見直しも上がって来るのだと思います。
司会者:では、最後の基本方針の見直しが出来ないのであれば、私たちとしてはすべての自主避難者に対して、自主・強制問わず、安心して住み続ける事ができる住宅の提供。というのは、原発は政府の国策で進めてきたものなので、この責任は政府にあるんじゃないかと思いまして、その事を法律上明記した。
そして、原発で避難した方はいろんなケースがあります。そういう方たちに対して包括的に漏れのないように長期に渡る住宅の無料の提供を行う。その枠組みがありませんから、その新しい法律を作って頂きたい、そういう必要性があると考えているのですが、それはどうでしょうか?
誰が答えるのでしょうか?
政府側:全ての原発事故避難者に対してという事なのですが、まずひとまず避難区域に以前お住まいだった方に関しましては、先ほど少しお話があったんですけど各自治体それぞれの受け入れ市町村、そして避難もとの市町村から現在コミュニティー復活交付金という、正式には福島再生化生活交付金という、この交付金で長期避難されるかたの公営住宅というものを我々の方で協議しながら進めていくところであります。
先ほど話に少しでました、各自治体で調査しながら、昨年の12月に4890戸の公営住宅の整備を進める事を決めまして、今後公営住宅につきましては、現在3900戸等につきましては土地確保のめどが立っていまして、残り1100戸につきましては今年度上半期に地権者との合意を取って、着工を進めて行きたいと考えているところです。その制度の中で、家賃に関しまして、無償という事ではないのですが、低く設定するような制度、がありますし、残りの家賃に関しましてはある程度賠償の方で措置されるという話も伺っておりますので、そういった事をさせて頂いております。
新しい制度についてはこれから話し合っていくという方向で考えております。
政府側:1点補足なのですが、復興庁内で、法律の審査の部門があるのですが、法律ってそもそも、なにかを規制するためのものなんです。
例えば、また別の趣旨で必要になるとすれば、やってはいけない所に穴を空ける。特別にここではやってはいいよというのはあり得るのですが。今回の住宅の件では、特別に何かを規制しているわけではないので、法律でなにかをやるっていう事ではないのかなと思いますね。
司会者:それでは、今のお答えに関してでも結構ですし、関連して今の置かれている状況だったり、申したい事がありましたら、それぞれ避難もとと現在どこに住んでいるかという事だけ言って頂いて、どうぞご自由にお話下さい。