2014年4月7日

3月19日都庁での懇談会

3年前の原発事故によって福島県から都営住宅などに避難する住民が結成した「キビタキの会」は、東京都に対して、災害救助法で来年3月までの居住期間となっている現在の住まいをそれ以降も住み続けられるよう訴えました。
 以下、報告します。









参加者
 避難者:大人12名+子ども4名→うち5名が懇談会に参加し、その他の住民は交流会を行った。
 ボランティア:5名→うち1名が懇談に参加し、その他の支援のボランティアは交流会のサポートを行った。


都庁側の対応者
 東京都 総務局 復興支援対策部 都内避難者支援課長 猪口氏 ほか職員2名


取材
 マスコミ:朝日・読売・毎日・産経・東京・共同通信
 独立系メディア:アワープラネットTV
 その他:赤旗・MDS・ママレボ・個人のジャーナリスト1名
 →マスコミでは、3月20日付朝日新聞朝刊・東京新聞朝刊に掲載された。
   赤旗・MDS・アワープラネットTVなどのメディアでも報道された。

懇談の内容
 冒頭に、課長から「不安を与えていることはお詫びをする」との発言があった。
 住宅の支援に関して「県から要請があれば、基本的にはそれに基づいて対応する。」との立場を表明した。



キビタキの会の質問


1.現状
① 原発事故によって東京都に避難してきた住民は、何世帯何人か?
  また、都営住宅・都民住宅・国家公務員住宅・雇用促進住宅・民間の借り上げなど、内訳がわかれば、それぞれの世帯数と人数は?
② 現在の、避難者の置かれている状況をどう認識しているか?
③ 福島県とは、安定的な居住の確保に関してどのように情報交換や協議をしているか。


2.これまでの災害での住宅対策との関連・子ども被災者支援法の基本方針に基づく対応
① 阪神淡路大震災など他の災害で被災した住民で、災害救助法に基づき、都営住宅など公的な住宅に入居された方は、現在でもお住まいになっておられるか?
② また、「子ども被災者支援法」では、基本方針の中に、「(2015年)4月以降については、代替的な住宅の確保等の状況を踏まえて適切に対応。」とあるが、これをどう実施するのか。


3.制度存続
① 今回のアンケートでは、住宅について、「現在の制度を存続してほしい」「今の都営住宅等に住み続けたい」という選択肢がないがこれはなぜか?
② 現在の住宅に住み続けることを希望しても、2014年度で退去というケースはありうるのか?
 その場合は、どのようなサポートを考えているか?
③ 制度存続は、いつごろ、どのように決定するのか?
 最終的な判断の責任者・部署はどこか?
④ その決定に、避難している住民の声や被災自治体の意見はどのように反映されるのか?
⑤ 被災した自治体の意見表明の時期や内容はさまざまと思われるが、東京都として現在居住している住民の意向を最大限尊重するべきと考えるがどうか?


4.今後の取り組みへの要望
① 今日の懇談の結果を、次回の避難者へのお知らせの郵送に入れる。
② 今回、懇談に参加希望があるのに、できなかった方も多いので、できる限り大きな会場で、避難者の声を聞く機会を設ける。




都内避難者支援課からの返答


1.2.現状に関する担当課の見解
→ 避難者数  8,030人 (うち福島県 6,577人)        H26.2. 6時点
  避難世帯数 3,297人 (うち福島県 2,570世帯)       H26.2.10時点

 ◎ 東京都の応急仮説住宅の受入数について
  ・都営住宅等避難者数  3,181人 (うち福島県 2,889人)  H26.1.31時点
  ・都営住宅等避難世帯数 1,353世帯(うち福島県 1,199世帯) H26.1.31時点
   ※都営住宅等(都営住宅、都民住宅、都職員住宅、国家公務員宿舎)
  ・民間賃貸住宅避難者数 800人 (うち福島県 728人)    H26.1.31時点
  ・民間賃貸住宅避難世帯数355世帯(うち福島県 318世帯)   H26.1.31時点

・避難者からは、先行きがわからない、とりわけ住宅という不安の声や生活が苦しいとの声を聞いている。
・福島県とは定期的に話している(生活環境部の避難者支援課)。長期的にどうしていくのか判りにくい。

3.制度の存続に関する担当課の見解
・アンケートの住宅について現在の制度存続という選択肢が無かったのは、1年後以降の住宅支援の制度がないため。今回のアンケートは原則に即して書いた。県や国が考える材料として集めている。
・住宅の支援の延長が決定したら、プレス発表する。
・今の応急仮設住宅制度を打ち切るなら、それに変わる制度がないと困る。新しい制度とセットと考えている。
・4月中にアンケート結果は公表したい。避難者の「定住したい」という声は高まっている。

*東京都が独自に動けないか、との要請をしたが、県や国との関係もあり、なかなか困難のようだった。

4.これからの取り組みへの要望
・今回の懇談会の結果を避難者へのお知らせの郵送に入れる。
→ やり方・内容は検討するが、お知らせに何らかの形で入れたいとの回答あり。

・今回参加を希望しても懇談会に参加できない方も多かったので、できる限り大きな会場で避難者の声を聞く機会を設ける。
→ 都が公的に行うことは難しいが、今回のような形で、キビタキの会の呼びかけでもう少し人数を増やして話を聞く機会を設けることはできる。


 その後都庁からお知らせ
     都内避難者の皆様へ【4月第1便】

以上です。