2014年7月9日

【今から都営住宅へは被災者枠は無い?】6月9日院内集会報告⑶

キビタキの会では、原発事故避難者の安定的な居住を求める政府(復興庁、内閣府、国交省)との懇談会を、2014年6月9日(月)参議院会館 B103会議室にて行ないました。
南相馬市から避難中であるAさんの発言模様を、速記録から紹介します。

避難者:私の事情をお聞き頂きたいと思いますが、私は、福島県南相馬市原町の区役所近くに住んでおりまして。第一原発から25キロの地点なのですが、事故当初は全く屋内待機という事で、避難したほうがいいのか、しなくていいのか全くわからなような状況だったので20キロ圏内には避難指示が翌日に出て、みなさんクモの子散るような感じでいなくなっていて、20キロ圏外30キロ圏内のところは非常にファジーな状態に置かれていたところなんですね。でも実際的には町はもう翌々日あたりから若いフットワークの軽い層から避難していまして、瞬く間にゴーストタウンになっていました。

私は、私と両親と娘で暮らしていたのですが、原発事故当初は、娘は東京の方に進学していまして、私と私の両親と3人で暮らしていたのですが、結局両親は、母もあまり体調がよくなかったのですが、父が認知症になっていまして、どこの避難所にいっても周りの方に迷惑かかるだろうという事が安易に予測できるような状態だったので、致し方なく横浜の方に姉が一人おりましたので、そちらを頼りに両親を連れて避難したという状況なんですけれども。父は瞬く間に認知症が進んで、数ヶ月後には自分の事も家族の事も認識が出来なくなって、今は横浜の特別老人ホームにお世話になっていますが。つれて帰ろうと思っても、地元の南相馬の方では施設がどこも300人待ち400人待ちということで、つれて帰れていない状態になってしまいましたし、避難解除になってから、言ったり来たりして、母は生まれも育ちも南相馬なので、もう帰りたい一心で、連れて帰ったんですが、私が行ったり来たりしている間に去年の3月1日に自宅で孤独死してしまいました。

娘は原発後のこの3年間の間に卒業して社会人にはなったのですが、なかなか解除しましたから帰って下さいって国の方では言っていますが、南相馬の方では噂とか環境とかが行き先暗い状態です。
帰れば仕事があるのかなと思うのですが、治安が悪いという、放射線の問題だけでなく、不安を抱えて希望が持てない町に帰れという説得ができない状況です。
そんな状況で両親を姉の所に預けて、自分は知人宅に避難したのですが、親を預けている時点で兄弟間に亀裂が入り、知人宅に3年間もお世話になってて早く入居したいっていう希望があるんですけれども、20キロ圏外ですと、東京電力からの賠償が一昨年の8月で打ち切られていますし、行政を頼らないで、知人宅に入ってしまったので、今度新しく入居しようと思っても、保証人もいないので部屋を借りれないですし。今本当に困っています。娘と一緒に暮らしたいだけなんですけれども、なんとかしていただけないでしょうか。

今まで精神状態も不安定で、なかなかこういう場に参加できないくらい精神的ダメージがあったんですけれども、今日はこういう機会があるということを知って、やっと少し体調も戻りつつあり、やっとこれから前を向いてしっかりしていかなければいけないと思いやっと出てきました。
本当に困っています。なんとかしてほしいんです。お願いします。


司会者:こういう事情の方にはどう対応できるんでしょうか?


避難者:今まで行政を頼ってこなかったのが、裏目に出てしまったのだと思います。
最初から都営住宅に入っていればよかったんですけれども、最初は皆様に迷惑をかけないように、迷惑をかけないようにと思って、家族を頼り、知人を頼りに、それが裏目に出てきてしまって、今になっては本当に困っています。どうしたらよいでしょう?


司会者:誰か答えてください。


政府側:知人宅に最初避難されたから、入居することができないということですか?


避難者:はい。時期が過ぎてからですが、そちらの方にも問い合わせましたけれども、もう一般都民の皆様と同じ対応しかできないという反応だったんです。あと何か方法があるんでしたら教えていただきたいと思ってきました。


政府側:たとえばなんですけれども、娘さんは今どんな暮らしをされていますか?


避難者:今は川崎の方で部屋を借りて一人で暮らしています。


政府側:たとえば娘さんにお部屋を借りていただくのは難しい状況なんですか?


避難者:結局経費が伴いますよね?
今は一人なので1Kで7万円という家賃がかかってますけど、2人で暮らすようになると、場所とかもあってなかなか大変になると思うんですね。都営住宅に入っていたら無償で入っていられたわけですよね?
私のような起点が聞かない人間はなにか、助けていただける方法はないんですか?


政府側:正直なところ、私たちとして、何かご支援できる制度は私たちとしてはないです。そこは非常に申し訳ないです。
あとは、非常に申しあげがたいのですが、生活保護とかセーフティーネットの方に入ってしまうのかなということになってしまいます。


避難者:私は結局避難してきても、こんなに厳しい状態なんです。20キロ圏内とか、帰還困難地域になると、私たちから見ればずっと手厚い保障がいただけて待遇も全然ちがうと思います。私たちはなんにもないんです。
この年になって東京で暮らすなんて夢にも思っていませんでした。原発事故がなければうちの母だって孤独死なんてしなかったと思います。父だって生まれも育ちも南相馬でわけわからなくなるような時に横浜に来て、連れて帰れなくなるとは、本人も夢にも思ってなかった。好きで来たんじゃないんです。


司会者:ないっていうことなんですね。それは政治の場でもっと解決しなければいけないことだと思いますが。


避難者:タダで住みたいとは思ってないんです。もちろん所得に応じてお支払します。だた、どこか住めるところが確保できればと思ってきました。


司会者:いろんなご事情の方がいるので、もし他の方で、こういう事情があるという方がいればお話しませんか?







2014年7月8日

【政府側から質問の答え】6月9日院内集会報告⑵

キビタキの会では、原発事故避難者の安定的な居住を求める政府(復興庁、内閣府、国交省)との懇談会を、2014年6月9日(月)参議院会館 B103会議室にて行ないました。
あらかじめキビタキの会では政府側に質問状を提出しておりました。その質問項目に対して、政府の担当省庁から回答を聞きました。


司会者:それではみなさま、ただいまから、原発事故避難者と担当の復興庁、内閣府、国土交通省の担当官のみなさまとの懇談会をはじめさせて頂きます。私は本日、司会進行を務めます、キビタキの会事務局の山本ひとみと申します。よろしくお願い致します。
キビタキの会はキビタキという福島県の鳥、県の鳥を名前にして2月28日に結成致しました。まず会長の寺島あきらの方からご挨拶をさせて頂きます。

「おはようございます。キビタキの会、会長の寺島あきらと申します。本日はこのように懇談会をもうけさせて頂いてありがとうございます。どうぞ、時間のゆるす限りよろしくお願い致します。」

それでは、懇談に入る前に、今日9名おいでですので、お名前と職名をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

復興庁 6名
内閣府防災担当 1名
国交省 2名


【質問への答え】
司会者:キビタキの会から事前に、こんな事を聞きたいという質問を何項目か出させていただきました。
こちらに来られているのは、キビタキの会会員という方だけではなくて、キビタキの会で呼びかけたこの集まりに賛同して私も一言言いたいという事でいらした避難者の方もこちらにおすわりになっておりますので、よろしくお願い致します。

では質問項目の1、現状というところから担当者の方お答え頂けますか?
1.現状 ①原発事故によって東京都に避難してきた住民は、何世帯何人か?全国では何人何世帯か?
②現在の、避難者の置かれている状況をどう認識しているか?避難者のニーズの調査及び避難者への政府の取り組みの広報はどのように行われているか。
③住宅にかかわる問題で、原発事故避難者から、2011年3月11日の事故以来、どのような要望が何件出されているか。
④福島県とは、安定的な居住の確保に関してどのように情報交換や協議をしているか。



政府側:質問事項の1、現状の所で、①と②についてまず報告させて頂きます。
今回の東日本大震災をうけまして、まだ東京電力の原子力発電者の事故があって東京都に避難してきた住人の方が何人か、また全国で何世帯何人かということですが、こちらについては現状をお伝えいたしますと、復興庁の方で正確なデータがないというような状況になっております。
東京都に避難してきた方という事も、実際にプレハブの仮設が建っている訳ではないですから、賃貸住宅に入られている方というのが多いと思うんですけれども、それも災害救助法の制度の中で入っているという方もいらっしゃれば、この制度については政府で測る事はできると思うんですけれども、あくまで色んなドタバタの中で、避難所のような扱いで東京に移ってきてそのまま住まれているかたというのが、あくまで住宅の担当している管理者が住んでもいいよと認めるという事で、その部分について政府として把握するのは難しい事がございます。

①については統一した数字が言えないという事になっております。民間の賃貸住宅に住まわれている方以外でも、それぞれの親類の方のところにすんでいる方の把握がむずかしいという事と、病院など様々な所に住んでいるとこがございますので、本当に正確な世帯数を把握できていないという事も申し添えておきます。


政府側:②ですが、これは取り組みのご紹介という事になりますが、復興庁の方で平成25年の10月、子供被災者支援法の基本方針というものができた後に、基本的にはこの指示避難の方、原発から20キロ圏内で政府から避難の指示を出されている方以外の方でも避難している福島から離れているかたはかなりいらっしゃいますので、そういった方を借りにここでは自主避難者と呼ばせれ頂く事に致しますが、そういった方への情報提供事業を実施しております。これは、国からどういった支援の施策があるのかという事をお伝えする、情報提供の面と、実際に自主避難者の方が生活されている中で、どういった事が必要だと思っているのがという相談の部分、双方向の取り組みを、特に避難者が多い地域で説明会を開催して情報提供と相談をする会を開催させて頂いております。25年度ですと、やっていなかったんですが、26年度はこういった情報提供の事業を進めて行くということが出来るようになっております。


政府側:③と④について、私のところでやっているのは避難指示が出ている方を対象に取り組んでいる事例がありますので、紹介させて頂きます。
まず③について、復興庁とましては、福島県と避難元区域と共同で24年度から継続して住民票調査というものをやらせて頂いております。この中で住宅にかかわる事項として、避難期間中の住宅の状況であるとか、避難期間中の復興住宅の入居、住居形態であるとか、どこに避難したとかについて。また、避難指示が解除された後、居住地の希望などを把握していうものです。


政府側:続きまして④
帰宅困難区域など、長期に避難をされている方々、コミュニティーを維持しながら安心して避難生活をして頂く必要があると考えています。この為、国、復興庁であるとか、福島県の受け入れ市町村や避難もとの市町村で協議会を設定しまして、更に受け入れ市町村ごとに個別議会を、具体的に復興住宅を中心とした受け入れ体制形成の為これを行いながら、その先は給付金などを活用して行っていく予定です。
また、長期避難者の方々につきましては、生活拠点において、地域の絆の維持であるとか、発展においてコミュニティー研究会という会を結成しまして、これもまた国や県、非難元市町村や受け入れ市町村を中心に住人自らの意志や協議への参加、地域住民の交流といった、具体的なコミュニティーの形成の例を作りまして、避難者と共有をはかっています。



司会者:では、2番目の現在の制度災害救助法に基づく応急仮設住宅に関してお願いします。
2.現在の制度に関して ①現在の災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与に関しては、5月28日に1年延長が決定し、2016年3月末までとされたが、その後の住宅の供与はどう考えているのか。
②最終的な判断の責任者は誰か。
③その決定に避難している住民の声や被災自治体の意見はどのように反映されるのか。
④現在の制度では、一人当たりの住居の広さはどのようになっているか。例えば、いわき市から武蔵野市へ大人3人子ども1人で避難してきた世帯は、住宅が1LDK程度の広さのため、家族のうち73歳の女性が1年後に避難元へ帰らざるを得ない事態となったが、災害公営住宅への申し込みも外れ、今後の生活に不安を感じている。明らかに安心できる住宅を確保しているとは言いがたいが、こうした例をどう考えるか。
⑤現在のような1年延長を繰り返すことは、住宅という生活の基盤が不安定な状況が続き、将来の見通しも立てられないことであるが、これをどう考えるか。


政府側:①、災害救助法に基づく応急仮設住宅の期間に関しては、原則2年となっています。ただ、東日本大震災で設置したものに関しては、特定災害特別措置法、これの対象になっておりますので、期間ごとに延長を行う事が可能となっております。ですので、現在福島県等は、平成28年3月までという事でやっておりますが、その後の延長につきましては、被災地域のその後の災害住宅や賃貸住宅の整備など、大々的な住宅の整備をふまえて検討していく事とさせて頂いております。


政府側:続きまして、②の最終的な判断について。
先ほど申し上げましたように、延長という事につきましては、災害救助法の救助の期間を延長していくという考え方となっております。この救助の期間については内閣総理大臣が定める期間に従ってあらかじめ定められている事になっています。これが2年。各都道府県知事が内閣総理大臣に協議し、同意を得て救助の期間を定める事となっております。
繰り返しになりますが、東日本大震災のような特定災害措置法では1年を越えない期間ごとに延長が可能という事になりますけれども、都道府県知事が法律に基づいて内閣総理大臣に協議し同意を得て、1年を越えない期間での延長という事が可能になります。


政府側:続いて③の住民の声や被災自治体の声はどのように反映されるかという事ですが、
各都道府県知事がどのように判断を行っているかという事はこちらではなかなか承知していないのですが、各都道府県においては亜仮設住宅の提供、延長、被災市町村やその住民の意向に合わせて方針を定めていると。そして協議を行っているものと推察しています。その結果は福島県のホームページで公開されています。


政府側:続きまして④ですけども、
細かい事例を書いて頂いているのですが、申し訳ありませんが個別の事例についてコメントする立場にないので、差し控えさせて下さい。
広さという事に関しては、建設型の仮設住宅に関しては29坪、9畳。間取りは4DKが標準なのですが、一人暮らしの方なら6坪1DKだとか、数が多ければ12坪3Kというような3タイプが標準使用。狭いとの意見もあるが、これに関しては仮設住宅の建築用地に可能なかぎり戸数を置く必要がある、早期にたくさんの仮設住宅を建てる必要があるということで事前に標準仕様を定めております。また、一つの仮設住宅に入らないご家庭に関しては複数の部屋を提供している事例もあると言う事です。
また民間の借り上げ住宅や公営住宅などの公的な住宅を提供している自治体に関しては、各自治体で家族構成に応じて提供している、可能な範囲で必要に応じて提供していると認識しております。


政府側:続きまして⑤ですが、
1年の延長を繰り返すという事で、将来の見通しを建てられないという事ですが、繰り返しになって申し訳ありませんが、災害応急仮設住宅の提供という事は災害救助法に基づき提供しており、原則2年です。東日本のような災害においては特別措置法において1年を越えない期間で延長する事が法律になっております。これをふまえて更なる延長につきましては、その後の代替的な住宅確保の状況をふまえて引き続き検討を行うこととして頂いております。



司会者:次は3番目については?
3.子ども被災者支援法の基本方針に基づく対応 ①「子ども被災者支援法」では、基本方針の中に、「(8)住宅の確保の主な具体的取り組みの中に、(2015年)4月以降については、代替的な住宅の確保等の状況を踏まえて適切に対応。」とあるが、これをどう実施するのか。
②強制避難であるか自主避難であるかを問わず、また、現在の避難先がどこであれ、原発事故という人災による避難者が、長期にわたって安心して住み続けることのできる無償の住宅を確保することを基本方針の中に書きこむ見直しをしていただきたいがどうか?


政府側:3.につきまして、
今山本さんからおしゃって頂いたように、子供被災者支援法の基本方針の中で住宅の確保については民間仮設住宅に関しての応急仮設の使用期間は平成27年3月末までという事を一回書いたのですが、その4月以降については、この「代替的な住宅確保の」と基本方針に書かれているところなのですが、これは今まさに内閣府の防災担当のかたから報告がありました通り、これは27年の3月末ではなくて、更に1年延長して28年の3月末までの無償の提供が保証されたというところであります。
基本方針が出来たのが、昨年の平成25年、その後に自治体や政府の方でも話し合いをして1年の延長が決まり、1年10ヶ月間での無償の提供が可能になったというふうに認識しております。


政府側:②の強制避難、自主避難にかかわらず、避難してきた人たちが長期にわたって住み続けられる無償の住宅の確保、これを基本方針の中に書く見直しをしてほしいとの事ですが、基本方針は25年に閣議決定した上で、ずっと変わらないという事ではないと思うんですが、見直しの時期というところをいつにするとかそういった時期に関しては未定の状況ですので、今日のような避難者の方の意見を聞く場が色々とございますので、その中の意見をふまえて今後見直しをしていかなければいけないのかなと考えております。


司会者:その下のところは、同じですか?
見直しを要望しているんですが、それはお答えがなかったように、ここで要望している事は、長期に渡って無償で、原発事故にあって避難をした人に住宅は無償でやってほしいとハッキリ書いてほしいという事なのですが、それは言えないんですね。


政府側:そうですね、基本方針を変える具体的な方法は決まっていないので、先ほど言った通り今日のこのような場や避難した方のご意見も聞きながら、基本方針の見直しも上がって来るのだと思います。


司会者:では、最後の基本方針の見直しが出来ないのであれば、私たちとしてはすべての自主避難者に対して、自主・強制問わず、安心して住み続ける事ができる住宅の提供。というのは、原発は政府の国策で進めてきたものなので、この責任は政府にあるんじゃないかと思いまして、その事を法律上明記した。
そして、原発で避難した方はいろんなケースがあります。そういう方たちに対して包括的に漏れのないように長期に渡る住宅の無料の提供を行う。その枠組みがありませんから、その新しい法律を作って頂きたい、そういう必要性があると考えているのですが、それはどうでしょうか?
誰が答えるのでしょうか?
4.新たな立法措置の可能性 (上記の基本方針の見直しができない場合)すべての原発事故避難者に対し安心して住み続けることができる住宅の提供は政府の責任であることを明記し、住宅を必要とする避難者には長期にわたる無償の住宅の提供を行う新たな法律をつくる必要性についてどう考えているか。



政府側:全ての原発事故避難者に対してという事なのですが、まずひとまず避難区域に以前お住まいだった方に関しましては、先ほど少しお話があったんですけど各自治体それぞれの受け入れ市町村、そして避難もとの市町村から現在コミュニティー復活交付金という、正式には福島再生化生活交付金という、この交付金で長期避難されるかたの公営住宅というものを我々の方で協議しながら進めていくところであります。
先ほど話に少しでました、各自治体で調査しながら、昨年の12月に4890戸の公営住宅の整備を進める事を決めまして、今後公営住宅につきましては、現在3900戸等につきましては土地確保のめどが立っていまして、残り1100戸につきましては今年度上半期に地権者との合意を取って、着工を進めて行きたいと考えているところです。その制度の中で、家賃に関しまして、無償という事ではないのですが、低く設定するような制度、がありますし、残りの家賃に関しましてはある程度賠償の方で措置されるという話も伺っておりますので、そういった事をさせて頂いております。
新しい制度についてはこれから話し合っていくという方向で考えております。

政府側:1点補足なのですが、復興庁内で、法律の審査の部門があるのですが、法律ってそもそも、なにかを規制するためのものなんです。
例えば、また別の趣旨で必要になるとすれば、やってはいけない所に穴を空ける。特別にここではやってはいいよというのはあり得るのですが。今回の住宅の件では、特別に何かを規制しているわけではないので、法律でなにかをやるっていう事ではないのかなと思いますね。



司会者:それでは、今のお答えに関してでも結構ですし、関連して今の置かれている状況だったり、申したい事がありましたら、それぞれ避難もとと現在どこに住んでいるかという事だけ言って頂いて、どうぞご自由にお話下さい。






2014年6月26日

6月9日院内集会報告(1)


参議院議員会館 B103会議室

  6月9日、「キビタキの会」は、参議院会館において原発事故避難者の安定的な居住を求めて、復興庁・国土交通省・内閣府との懇談会を開催しました。これは、3月19日の東京都との懇談会を踏まえ、原発事故と避難者の住宅政策に責任のある政府の担当省庁に、避難者の声を直接届け、抜本的な対策を要望することを目的としたものです。
 
 対応に当たったのは、
・復興庁:参事官補佐 中村崇志氏ら6名
・国土交通省:住宅局 住宅総合整備課 課長補佐 二瓶朋史ら2名
・内閣府:政策統括官(防災担当)付 参事官(被災者行政担当)付 大橋雅史氏
のあわせて、9名の若手官僚です。

 また、参議院議員全員にご案内を出し
・山本太郎氏(新党ひとりひとり)
・福島みずほ氏(社民党)
・増子輝彦氏の秘書の方(民主党・福島県選出)
・山口和之氏の秘書の方(みんなの党・福島県出身)
にご参加いただきました。

 東京都を中心に、避難者が10名参加し、その他支援者・メディア関係を含め、50名近い参加がありました。
 避難者の中には、社会福祉協議会からのお知らせでこの懇談会を知って勇気を奮い起こしてこられた女性もいらっしゃいました。井戸川前双葉町長も参加され、懇談を見守っておられました。

 マスコミは、朝日新聞・毎日新聞・東京新聞・福島民報社が取材に来られ、多数のインターネット系メディア・フリージャーナリストの方も熱心に耳を傾けていただきました。

 懇談会は、はじめにあらかじめ提出していた質問への回答を聞くことから始まり、避難者がそれぞれの事情や困難を訴え国の対応をたずねるという形で進められました。

*質問項目は、以下の通りです。
《2014年 6月9日復興庁・内閣府との懇談会 質問項目》ーー始まりーー

1.現状

①原発事故によって東京都に避難してきた住民は、何世帯何人か?
  全国では何人何世帯か?
②現在の、避難者の置かれている状況をどう認識しているか?
  避難者のニーズの調査及び避難者への政府の取り組みの広報はどのように行われているか。
③住宅にかかわる問題で、原発事故避難者から、2011年3月11日の事故以来、どのような要望が何件出されているか。
④福島県とは、安定的な居住の確保に関してどのように情報交換や協議をしているか。


2.現在の制度に関して

 現在の災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与に関しては、5月28日に1年延長が決定し、2016年3月末までとされたが、その後の住宅の供与はどう考えているのか。
 最終的な判断の責任者は誰か。
 その決定に避難している住民の声や被災自治体の意見はどのように反映されるのか。
 現在の制度では、一人当たりの住居の広さはどのようになっているか。例えば、いわき市から武蔵野市へ大人3人子ども1人で避難してきた世帯は、住宅が1LDK程度の広さのため、家族のうち73歳の女性が1年後に避難元へ帰らざるを得ない事態となったが、災害公営住宅への申し込みも外れ、今後の生活に不安を感じている
 明らかに安心できる住宅を確保しているとは言いがたいが、こうした例をどう考えるか。
 現在のような1年延長を繰り返すことは、住宅という生活の基盤が不安定な状況が続き、将来の見通しも立てられないことであるが、これをどう考えるか。


3.子ども被災者支援法の基本方針に基づく対応

「子ども被災者支援法」では、基本方針の中に、「(8)住宅の確保の主な具体的取り組みの中に、(2015年)4月以降については、代替的な住宅の確保等の状況を踏まえて適切に対応。」とあるが、これをどう実施するのか。
強制避難であるか自主避難であるかを問わず、また、現在の避難先がどこであれ、原発事故という人災による避難者が、長期にわたって安心して住み続けることのできる無償の住宅を確保することを基本方針の中に書きこむ見直しをしていただきたいがどうか?


4.新たな立法措置の可能性

(上記の基本方針の見直しができない場合)すべての原発事故避難者に対し安心して住み続けることができる住宅の提供は政府の責任であることを明記し、住宅を必要とする避難者には長期にわたる無償の住宅の提供を行う新たな法律をつくる必要性についてどう考えているか。

《2014年 6月9日復興庁・内閣府との懇談会 質問項目》ーー終わりーー



 しかし、南相馬市から知人宅に避難している女性が「都営住宅を申し込んだら、一般都民と同じ扱い。この先どうしたらいいのか。」と声を震わせて訴えても、生活保護などを利用してほしいなど、誠意のない官僚的な答えが続きました。避難先の住宅の狭さ、強制避難区域からわずか離れた地域からの自主避難者への補償の少なさ、復興住宅を福島に建て他の自治体には建てないことへの疑問など、多くの未解決の課題が浮き彫りになりました。
 
 残念ながら、担当省庁との懇談は具体的な前進はありませんでしたが、避難者当事者が、あまり報道されることのない事実を率直に訴え、さらに、新たな立法措置も要望したことの意義は大きく、避難者の住宅確保をめぐる世論を広げていく力になったと思います。

 以下、当日の懇談会の模様を速記録でご報告します。
>>>【政府側から質問の答え】 6月9日院内集会報告(2) <<<


 


2014年5月19日

院内集会のお知らせ

東京都に避難されている皆さんへ
原発事故避難者の安定的な居住を求める復興庁との懇談会参加のお願い

 新緑がここちよい季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 私たち「キビタキの会」は、都内に住む原発事故避難者の団体です。今年2月東京都から、今後の生活に関するアンケートが送付されましたが、居住先予定については、今の住宅に住み続けたい住民にはどう回答してよいか困惑する内容があり、避難者同士が連絡を取り合って、これからの対応を考えていこうと2月28日に発足しました。

 さる3月19日(水)には東京都の都内避難者支援課との懇談会を持ち、安心して今の住まいに住み続けたいと訴え、担当課職員が「居住期間が来年3月で終わると決まったのではない。アンケートで不安を与え申しわけなかった」と述べるなど有意義な意見交換ができました。その後、東京都から避難者に送られているニュースレターにも懇談の内容が記載されました。
 また、マスコミ各社やインターネットのメディアでも報道していただき、これまで自分の思いを社会に訴えることを躊躇していた避難者の方から「励まされた」との声も届いています。

 しかし、避難者の安定的な居住の確保に関しては、現状では東京都や自治体の対応では困難であることもあらためて明らかになりました。そこで、国の担当省庁である復興庁の担当者に避難者の思いを伝え、現在の災害救助法による居住の支援では生活は不安定であることを伝え、子ども被災者支援法の基本方針の見直し、もしくは新たな立法措置も含めた抜本的な対策を要望していきたいと思います。
 つきましては、ぜひ、懇談会にご参加いただき、一緒に避難者の率直な声を復興庁に届けていけるよう、ご案内申しあげます。

                       記

◆と き:6月9日(月)午前11時から
  受付は午前10時30分から(係が、参議院議員会館ロビーにてご案内します)
  
◆ところ:参議院議員会館  B103会議室
    
◆当日は、11時から12時30分まで復興庁及び内閣府との担当者との懇談を予定しています。どなたが参加されるかは現在交渉中です。また多少時間が短縮される可能性もあります。

◆終了後、同じ部屋で12時30分から記者会見も行いますので、同席できる方はお残りください。

◆お子さま連れの方もぜひご参加ください。
スタッフを配置したいと思いますので、6月1日(日)までにお子さまの人数・年齢・性別をお知らせください。

*その他詳細については、事務局:090-1212-8411(山本)までお問い合わせください。