2018年7月2日

原発事故から7年 〜避難者の声2

2011年3・11の原発事故によって多くの住民がやむなく故郷を離れました。武蔵野市に避難してきた方に、これまでの体験や今思うことを書いていただきました。

あの事故は何万人もの未来を奪った!

地震・津波・原発事故の三重苦から7年目を迎える。自然災害はどうしようもないが、原発事故さえ無かったらと今でも思う。

2月末、業務上過失致死罪で強制起訴された旧東電経営陣の4回目の公判の新聞記事を読んだ。震災前に津波被害の検討を依頼した子会社の社員に、「15.7メートルの津波高は小さくならないか」とか、再依頼時には「これ以上検討の必要はない」と言ったとか。この証言で東電の傲慢さが明白になった。故郷を失った私たちは激怒するのみ。これからも色々なことを(原発廃炉を含む)望んでいる。

すでに住民票を当地に移した私たちに、故郷から色々な情報が届く。故郷では、震災後、経済的格差や人口減少から様々な問題が起きているようだ。自分たちの財産はいまや故郷には存在していないが、セピア色に近づいている思い出だけは残っている。今は、私たちが当地での生活・仕事さらに新たに築いたコミュニティーが最も大切なものになっている。

震災当時の思いは、徐々に風化していくが、あの未曽有の事故を起こした本人たちは、人は自分の都合のみでは生きていけないことを自覚し、何万人もの未来を奪ったことを重く受け止めてほしい。

(南相馬市から避難)