6月7日、東京都の住宅担当の課長と話し合いを行いました
東京都には5526人の原発事故避難者が暮らしており、そのうち約1,400人が区域外からの避難者、いわゆる自主避難者です。
来年3月末に迫った自主避難者への住宅無償提供の打ち切りに関して、東京都に対し現在の都営住宅などに来年4月以降も住み続けるための支援策を求める話し合いをキビタキの会が行いました。話し合いには都市整備局から住宅施策専門課長・管理企画担当課長が、総務局からは都内避難者支援課長らが出席し、避難者の要望を聞き意見交換をしました。
福島県が昨年12月25日に発表した2017年4月以降の支援策に対する評価については、「他の自治体の施策にコメントすることはできない」という態度に終始しました。
都の独自の支援策については、事前の質問項目に<鳥取県や埼玉県などで自治体独自の支援策を実施する動きもある。東京都でも実施するべきではないか。阪神淡路大震災では、神戸市・西宮市はUR賃貸住宅と20年間の契約を結び、公営住宅家賃との差額相当分を支払ってきたが、東京都でも実施できないか>との内容を書いており、また現在都営住宅に住んでいる原発事故避難者が2017年4月以降住み続ける支援策についても、<都営住宅の募集要件にも福島県の支援策にも該当しない世帯への対応。公的住宅の抽選にもれた世帯への対応>などを質問しましたが、具体的な回答はありませんでした。
しかし、今出されている支援策に該当しない人が多いとの意見は「福島県に伝えていきたい」と約束。都による支援策に関しては「各人の所得などを把握するために個別の面談をしている。6月いっぱい訪問を行い、その後どうするかを検討する」ことを明言したことは成果です。
6月13日、東京都から新たな支援策が発表されました。
さらに避難者の実情にあった内容になるよう要望を続けます。
東京都都市整備局は6月13日、自主避難者への新たな住宅支援策として、都営住宅公募における200戸の専用枠の設定を発表しました。
この発表は現在の福島県の支援策では不十分なことの反映であり、また粘り強く取り組まれている避難当事者の行動の成果といえます。
東京都は「ひとり親世帯・高齢者世帯・心身障害者世帯・多子世帯・特に所得の低い一般世帯・幼い子どものいる世帯」を条件にしています。これはかなりの世帯が該当しますが、約600世帯の自主避難者世帯に対して200戸では少なすぎます。該当する都営住宅の場所も明らかでないので、引越しが必要となるケース・子どもが転校せざるを得ないケースもありえます。また所得も月額15万8千円以下を条件としているので、該当世帯が少なくなると予測されます。
東京都が独自の支援策を打ち出したことは一歩前進ではありますが、残念ながら、これでは避難者の実情に沿ったものと言えません。引き続き東京都との話し合いを進めていきたいと思います。